イベント「祝いの布」展 キックオフしました。

皆さんこんにちは。11月の沖縄に、少し不思議な季節の風が吹いています。台風21号の影響で、本島には直撃していないものの、湿り気を帯びた強い風が流れ込み、普段の風とは異なる感覚を肌で感じます。11月に入ってからの台風とは珍しく、季節の移り変わりと、そこに息づく琉球の自然の力を思わされる瞬間です。

そんな沖縄で、私たち城間びんがた工房は11月29日(金)と30日(土)にイベントを開催します。これは琉球文化をより多くの方に知っていただきたいという思いから始まったものです。琉球王国の時代から続く「紅型」を、沖縄の豊かな自然の中で、職人としての誇りを持って制作し続けていますが、普段は制作環境を守るため、日常的な見学はお断りしております。それでも、この素晴らしい伝統をもっと知っていただきたい、皆さんに沖縄の息吹や文化を感じていただきたい――その思いから、このイベントを年に4回だけ開催することにいたしました。

このイベントでは、紅型を通して私たちのものづくりの姿勢や、沖縄の文化に根ざした価値観を感じていただけるような時間を過ごしていただきたいと考えています。琉球舞踊の皆さまのご協力もいただき、昨日、開催メンバーでキックオフを行いました。工房スタッフも普段はイベント慣れしておりませんが、琉球の文化を皆さんにお伝えしたいと真心を込めて準備を進めています。

沖縄の首里の小さな工房から、私たちが大切にしている文化の一部をお届けできることを、心から楽しみにしています。どうぞ、この機会に紅型と琉球文化に触れにいらしてください。どうぞよろしくお願いいたします。

城間栄市 (しろま・えいいち) プロフィール

生年・出身

昭和52年(1977年)、沖縄県生まれ。
城間びんがた工房十五代・城間栄順の長男として育ち、幼少期より琉球びんがたに親しむ。

学歴・海外研修

  • 平成15年(2003年)から2年間、インドネシア・ジョグジャカルタ特別州に滞在し、バティック(ろうけつ染)を学ぶ。
  • 帰国後は城間びんがた工房にて琉球びんがたの制作・指導に専念。

経歴・受賞・展覧会歴

沖展(沖縄タイムス社主催公募展)

  • 2000年(第52回):初入選
  • 2003年(第55回):奨励賞
  • 2008年(第60回):奨励賞(「ゴマアイゴ紋様」)
  • 2010年(第62回):奨励賞(「上昇波(ジョウショウハ)」)
  • 2011年(第63回):沖展賞(「イナズマ ガンガゼ」)、準会員推挙
  • 2012年(第64回):準会員賞(「すくゆい」)
  • 2013年(第65回):準会員賞(「紅型着物『雲を読む』」)、会員推挙

西部工芸展

  • 平成24年(2012年):第47回 西部伝統工芸展 福岡市長賞
  • 平成26年(2014年):第49回 西部伝統工芸展 奨励賞
  • 令和3年(2021年):沖縄タイムス社賞
  • 令和5年(2023年):西部支部長賞

日本伝統工芸会

  • 平成25年(2013年):沖展 正会員に推挙
  • 平成27年(2015年):日本伝統工芸展 新人賞受賞、日本工芸会 正会員に推挙

その他の活動・受賞

  • 令和4年(2022年):MOA美術館 岡田茂吉賞 大賞
  • 「ポケモン工芸展」に出展
  • 文化庁主催「日中韓芸術祭」に出展
  • 令和6年(2024年):文化庁「技を極める」展に出展
  • 2014年:城間びんがた工房 十六代継承

現在の役職・活動

  • 城間びんがた工房 十六代 代表
  • 日本工芸会 正会員
  • 沖展(沖縄タイムス社主催公募展)染色部門 審査員
  • 沖縄県立芸術大学 非常勤講師

プロフィール概要

城間 栄市(しろま・えいいち)は、昭和52年(1977年)生まれの琉球びんがた作家。城間びんがた工房十五代・城間栄順の長男として生まれ育ち、幼少期から伝統工芸の世界に馴染む。
平成15年(2003年)から2年間、インドネシアでバティック(ろうけつ染)を学び、帰国後は琉球びんがたの技法を継承しながら、海外の経験を活かした新しい表現を追求し続けている。

数々の受賞歴を有し、日本工芸会 正会員や沖展染色部門の審査員など、多方面で活躍。文化庁やMOA美術館主催の展覧会にも出展を重ね、琉球びんがたの魅力を国内外へ発信している。現在は城間びんがた工房の十六代代表として制作・指導にあたりつつ、沖縄県立芸術大学の非常勤講師として後進の育成にも努めている。