「首里城風景」

私たち、城間びんがた工房は、琉球の時代から続く沖縄の伝統工芸染め物「紅型」を作っている工房です。私自身は16代目ですが、「紅型」は琉球の王族の庇護のもとに育まれた技術です。しかし、祖父の時代に戦争があり、染色道具はすべて焼失してしまいました。祖父は、38歳で終戦を迎えたと言っていました。当時、焼け野原となった故郷では、私たちのシンボルである首里城が土台だけを残し、上の部分はすべて失われていたそうです。その故郷の景色を目にした祖父・栄喜が作った作品が「首里城風景」です。この画像にあるのが、その景色を描いた作品です。

私は工房の経営理念に「ものづくりを通して琉球の思いを守る。」という言葉を掲げました。この言葉には、時代ごとに苦労してものづくりを守り続けてきた祖先たちへの感謝の気持ちが込められています。