「紅型の100年:変わらない伝統、変わり続ける感性」

4つの台風が過ぎ去り、工房に訪れる季節の変化を感じて

こんにちは。今日もこのブログを読んでいただき、本当にありがとうございます。

沖縄では、4つもの台風が去り、北風が吹き始めました。季節が移ろう瞬間を肌で感じながら、ふと「気候が昔と随分変わったな」と思わずにはいられません。沖縄北部では記録的な豪雨もありました。

さて、来週の金曜日と土曜日、「祝いの布」展がいよいよ開催されます。おかげさまで、土曜日の午前の部が満席となりました。心から感謝しています。いつも思うのですが、こうして直接お会いできる機会があることが、私たちにとって大きな励みです。今回は半数ほどがリピートでご参加くださるとのこと。どんな新しいお話をお届けできるのか、今から考えを巡らせています。


現場での体験を大切にした新たな試み

前回は、スライドを使って紅型の歴史や工房の話、工程を説明する20分間の時間を設けていました。でも今回は、もっと「生」の現場をお見せしたいと思い、職人たちが実際に制作している様子を、私が案内しながら解説するスタイルに挑戦します。この試みがうまくいくかどうかは分かりませんが、職人たちが守り続けてきた伝統を、少しでも直接感じていただけたらという思いで取り組んでいます。

以前、砥石と刃物の先生から「古いものと最先端のものには共通点がある」と教わったことがあります。今、その言葉をよく噛みしめています。紅型は100年前とほぼ変わらない方法で作られています。もしかすると、私たちはそのやり方を頑なに守り続けただけなのかもしれません。でも、その頑固さがあったからこそ表現できるものがあると信じています。あなたがこの時代を生きる感性で、どんなふうにこの技術や空間を感じ取ってくださるのか、私自身とても楽しみにしています。


変わらないからこそ伝わるものがある

紅型を100年間ほとんど変わらない方法で作り続けてきた私たち。そのやり方に誇りを持ちながらも、時折問いかけたくなります。「変わらなかったのはなぜだろう?」創意工夫が足りなかったから?変化に背を向けてしまったから?それとも、この方法でしか表現できない何かがあると、信念を持っていたから?

正直なところ、今も答えは分かりません。ただ、こうした問いも含めて共有し、直接ご意見を伺うことには大きな意味があると思っています。工房の空気感、職人たちの手の動き、そして伝統を守るという私たちの覚悟を少しでも感じていただけたら嬉しいです。


土曜日の午前が満席になったことで少しホッとしつつ、それ以上に感謝の気持ちが心に広がっています。今はただ、お会いできる時間を心待ちにしながら、最後の準備に力を入れています。どうか当日、素敵な時間を一緒に過ごせますように。